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名寄駅から延々と約3時間乗ってきた名寄本線629Dは僕を降ろして遠軽に向けて出発。
僕は名残惜しいなぁという思いと、目の前に立ちはだかる距離のプレッシャーから
何だか複雑な思いを抱えたまま中湧別駅の改札を出た。
もちろん、下車印もスタンプもしっかりゲットした。
湧網線の廃線についての記述がちょっと寂しさをにおわせる。
でも今の僕にはそれよりもここから明日の網走までの行動の方が頭を支配していた。
数名いた降車客がすべて駅舎を出てから僕は駅員さんに尋ねた。
「すみません。駅の建物内で朝まで寝ることはできませんか?」
そんな無茶なお願いに対する答えは当然のことながらNOである。
しかし、夜の8時を回った中湧別駅前は人影少なく、明かりも少なく、
とても野宿する勇気は持てない環境だったのだ。
そのようなわけで、僕はとりあえず網走駅を目指そう!と決めた。
やはりこの環境で一睡もできなかったりしたら明日の朝は、
寝坊⇒乗り遅れ⇒知床断念してスルー という悪循環が待っているからだ。
そうと決まれば自転車を組み立て!ということで輪行袋をほどき始めた。
稚内駅での自転車ばらし作業から8時間ぶりの作業だ。
部品をチェックしたが、いずれも問題ない。
薄暗い中での作業だが、なんとかすすむ・・・。ところが・・・。
あれ、6ミリのアーレンキー(6角レンチ)がないなぁ。
5㎜で締める部分はすべて完了したが、どんなに探しても6ミリが見つからない。
どうやら、稚内駅の外で落としてきてしまったようなのだ。
幸いにも5.5ミリという、普段使いもしない大きさのものがあったので、
それを差し込み、マイナスドライバーで隙間を埋めて、
なおかつアーレンキーをすこし歪めながら締めてとりあえず事なきを得た。
こうして苦心の末自転車の組み立ては完了。輪行袋もクルクルとたたんだ。
そして、午後8時30分。
中湧別駅を後にし、僕を乗せたエンペラーロードレーサーは走り出した。
一路網走駅へ!
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紋別駅での8分の停車の後、19:32に629Dは列車として出発した。
今度はキハ22 237&224というコンビで。
乗客はかなり少なかったが、1両目では子供がはしゃいでいた。
それで2両目の方に移動してみると中学生の女の子が一人。
この車両には車掌さんと僕とその子だけだった。
しばらくしてふと見てみると車掌さんがお弁当を食べていた。
するとたまたま車掌さんと目が合ってお互いにニッコリ。
その車掌さんがしばらくして僕に近づいてきた。
「記念オレンジカード、どうですか?」
それはさようなら湧網号という湧網線お別れ記念列車のもの。
僕は思わず手が伸びて買ってしまった。
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その後も車掌さんはニコニコしながらいろいろ話してくれた。
真っ暗になった景色はいつの間にかどんどん流れていき、
ついに20:10。中湧別駅に到着した。
車掌さんは「自転車、気を付けてね!」と声をかけてくれた。
最後の1時間はやっぱりあっという間だった。
でも、北のローカル線の旅は約3時間とは思えないほど
充実した時間だった。
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けっして後ろ向きの性格ではないが、
昭和の国鉄風情をこよなく愛し、
ちょっと昔なつかしいもの好き。
古いものを大切にする・・・のかも。
思い出の品、焼いもアイス、ラムネ
昭和の香り漂う鉄道旅行、愛好家。
昔風情いっぱいの日本昭和村がある岐阜県美濃加茂市に近い坂祝に本籍地がある。偶然。長良川鉄道やJR高山本線・太多線など鉄道の要所に加え、ちょっと前まであった坂祝セメント貨物など、鉄分もいろいろある所だ。
現在は、日本海側のある街でイラストやデザイン表札の仕事をしている。
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